A氏
TwitterでF氏とやりとりをしていたことにエントリでふれられていた(ふれてもらった、と書こうと思ったけど、別にしてもらったわけじゃないと思い直した)。
この件で、いろいろな考えが自分の中にたちあらわれて、それをメモしたら6点になった。しかし、そのすべてを箇条書きにするのは野暮なので、最後のひとつだけあげることにした。
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ここ最近のことだが、大庭みな子を延々と読んでいて、それはなぜかと言うと小島信夫のことが書いてあるからなのだけど、そこでホウとなった部分を引用する。
小島信夫の作品の中には、たとえば「別れる理由」などの中で、大庭みな子という私の名前と同じ女性がときどき登場する。畏敬する大先輩作家であるので、しばしばお会いしたり、電話で長い長い話が続くこともあり、いろいろ教えていただくことも多かったが、その会合や電話で話した場面などが小島氏の作品の中に現れると、それは実際に話し合われたこととはかなり異なってはいるのに、その文章の与える大庭みな子像は本人の私以上に大庭みな子らしい姿であるのに、私自身がびっくりすることがある。作品の中には他にもいろいろな実名の人物が登場するが、多分その人たちも本人以上に本人らしい人物になって登場しているのに違いない。さらりとした小島氏の表現の中には彼がじっと観察した人物が、彼の心象の中で組み立て直されて再登場するのだから、本物以上に本物であり、当の本人が気づかぬような姿で現れることもあるわけで、そのように自分が見透かされているかと思うと怖くもなってしまう。スケッチや写生とは次元の違う人物をさりげなく描く彼の筆は余人の手では及ばないものがある。
とのことである。別件で引用しようと思っていたけど、折角なので(F氏に)放り投げることにした。
(大庭みな子は小島信夫のことをたいそう好いていたようなので、幾分かは差し引いて読む必要がある、と註をいれるべきかもしれないけれど)、とにかくわたしも似たような気持ちになって、F氏に再構成されたA氏として(物語の中で)生かされたらいいというような気になった(だめね)。
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ひとつ。
A「あることないこと書かれた部分、本当は、誰が言ってるんでしょうね?」
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あと、やっぱり個人情報見つけてしまって、ウォーイ! ってなりました。